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リアリティを生み出す『ブレイキング・バッド』のロケ地アルバカーキ

 『ブレイキング・バッド』の世界観を支える重要な存在として、ロケーションがある。殺伐とした住宅地やどこまでも続く幹線道路、広大な砂漠は、『ブレイキング・バッド』の個性豊かな登場人物たちと同様、物語で重要な役割を果たしているのだ。

 『ブレイキング・バッド』の大半は、ニューメキシコ州最大の都市アルバカーキで撮影されている。リオ・グランデ河のほとりにスペイン人の入植者たちが1706年に作った街で、古い街並みが残されていることで知られている。

 たとえば、この地域はネイティブ・アメリカンが日干しレンガで作ったプエプロという集合住宅が特徴で、アルバカーキ近郊には世界遺産「タオス・プエブロ」がある。プエブロのデザインは、アルバカーキの新興住宅地にも取り入れられており、実際、ハンクとマリーが暮らすシュレーダー家は日干しレンガ風になっている。

 その一方で、乾燥しきった広大な大地に広がる殺伐とした風景もまたアルバカーキの特徴で、ウォルトやジェシーの家から、ウォルトがかつて務めていた高校、ソウル・グッドマンのオフィス、ハンクが務めるDEAのオフィスに至るまで、すべてアルバカーキに存在する家屋や建物が利用されている。アメリカ南西部の街並みを舞台にしているからこそ、ロサンゼルスやニューヨークで作られたドラマにはないリアリティがあるのだ。アルバカーキ市によると、『ブレイキング・バッド』効果で観光客が増えているとのことで、ロケ地めぐりも人気がある。

 もっとも印象的なロケ地は、アルバカーキの西にあるTohajiilee Indian Reservationと呼ばれるネイティブ・インディアンの居留地だろう。見果たす限りの砂漠は、ウィルトとジェシーがはじめてドラッグを生成する場所として登場。ファイナルシーズンでは衝撃的な事件の現場としても再登場している。

 さて、現在制作中の『ブレイキング・バッド』のスピンオフドラマ「Better Call Saul(原題)」も、アルバカーキで撮影されている。『ブレイキング・バッド』の物語世界と、アルバカーキは切っても切れない関係にあるのだ。

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