現在、J・J・エイブラムス監督が撮影を行っている「スター・ウォーズ エピソード7」の続編「エピソード8」の監督に、ライアン・ジョンソン監督が内定したと米メディアが報道している。ジョンソン監督といえば、最近ではブルース・ウィリス、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット主演のSFアクション「LOOPER/ルーパー」を手がけた新鋭。高校を舞台にしたフィルムノワール劇「BRICK/ブリック」で鮮烈なデビューを飾ったのち、「ブラザーズ・ブルーム」を経て、「LOOPER/ルーパー」を手がけているため、劇場映画は3作しか手がけていないため、異例の大抜擢といえる。
しかし、実は「ブレイキング・バッド」の演出家としての顔を持つ。これまでに手がけたエピソードはわずか3話ながら、そのいずれもが高い評価を得ているのだ。
ジョンソン監督がはじめて演出を手がけたのは、シーズン3第10話「かなわぬ最後」(FLY)。舞台は主にドラッグ生成所のみ、登場人物はほぼ二人だけという、舞台劇のようなスタイルながら、緊張感漲る演出で話題騒然となったエピソードである。
そして、彼の名前を轟かせたのは、シーズン5の第14話「Ozymandias」だ。登場するすべてのキャラクターの人生が大きく変化を遂げるこのエピソードは、多くのファンにとっても、クリエイターのヴィンス・ギリガンにとっても、「ブレイキング・バッド」史上最高のエピソードとして知られている。TIME誌が選ぶ2013年最高のTVエピソードランキングで第1位、英インディペンデント紙に至っては「おそらく史上最高のエピソード」と絶賛。「ブレイキング・バッド」のもつ魅力が凝縮したエピソードと言って過言ではない。「スター・ウォーズ」の監督捜しをしていたルーカスフィルムや親会社ディズニーの重役が社会現象を巻き起こしたこのエピソードを見逃すはずもなく、ライアン・ジョンソン抜擢の決定打となったに違いない。
まだルーカスフィルムは正式発表を行っていないが、ジョンソン監督は「エピソード8」の脚本と監督、そして、「エピソード9」の脚本を担当すると言われている。「ブレイキング・バッド」で披露した緊張感とリアリティ溢れる演出が、「スター・ウォーズ」世界でどのように描かれることになるのか注目だ。なお、「スター・ウォーズ エピソード8」は2018年の世界公開予定。