見どころ

漢王朝最後の皇帝は双子だった…
知られざる もう一つの三国志の幕があがる

秘密を背負い誕生した皇帝は
血を流さずに乱世を終わらせることはできるのか

時は後漢末期。世は乱れ、漢王朝は名目だけの存在になっていた。
そんな群雄がしのぎを削る戦乱の世で、心優しき青年 劉平は、波乱の人生を歩むことになる。

温県の名門 司馬家に預けられ、司馬家の次男である司馬懿と共に育てられた劉平。
幼い頃から共に過ごしてきた二人は、まるで兄弟のように互いを思い、強い絆で結ばれていた。
しかし劉平は、突然現れた父に連れられ、司馬家を出ることになる。

本当の兄のように慕っていた司馬懿に別れの挨拶をすることもできないまま辿り着いた先は、皇帝のいる都・許都だった。
劉平が都に連れてこられた理由はただひとつ、病で倒れた皇帝・劉協に秘かに成り代わり、漢王朝を再興するためだった。
そう、劉平は皇帝である劉協の双子の弟であったのだ。すべては、今は亡き劉協が残した策だった。

こうして突如、漢王朝の命運を託された劉平。
宮中のしきたりも、皇帝としての振る舞いも、何も知らない劉平を皇后の伏寿が支え、弘農王妃の唐瑛らと共に、
漢王朝最大の秘密を守り抜こうとする。しかし、皇帝に仕える側近の中にも、この異変を感じ取る者が現れる。
さらに宮中の火事のため曹操の屋敷に移り住むことになった劉平は、曹氏に周りを囲まれることになり、
皇帝への監視の目を光らせる曹操との緊張感は高まっていく。

天下太平のために曹操との戦いに足を踏み入れていく劉平。果たして真の皇帝になることはできるのか…。

胸に秘めた野心、秘められた策略
複雑に絡み合う思惑が運命を翻弄する

奇才と言われる軍師、郭嘉たちの力で曹操は勢力を拡大していた。
曹操は自らの拠点である許都に皇帝を迎えて、皇帝を囲い込むことで他の群雄たちを支配しようとしていた。
そんな中、皇帝の周囲で立て続けに起こった不審な出来事を、毒蛇と言われる曹操の家臣、満寵が見逃すわけがなかった。
曹操のためなら皇帝への非礼も厭わない満寵は、背後で動いている密謀を探るべく動き出す。

劉平は強敵である筈の郭嘉を味方に取り込み、その才を漢王朝のために生かしたいと考える。
伏寿はその危険な判断に断固として反対するが…。
そして、そんな劉平の周りには、袁紹の間諜や郭嘉の兄弟弟子などその過去を隠さざるを得ない者たちが潜んでいた。
様々な思惑が交錯する宮中で、真の味方は誰なのか。何を信じていいのか分からない状況が劉平を追い詰めていく。

一方、突如姿を消した劉平を追って司馬懿も都へ辿り着き、その才知を生かして、ことの真相に近づいていく。
固い絆で結ばれた2人は、共に力を合わせ、乱世を生き抜くことができるのだろうか。

郭嘉をはじめとする曹操陣営が打つ手に徐々に追い込まれていく劉平。
一進一退の息をのむ心理戦、緊迫感溢れる頭脳戦…。最後に勝ち残るのは一体誰なのか…。

切なくも儚い恋心
波乱の人生を共にする男と女

目まぐるしく移ろいゆく乱世においても、唯一無二の関係を築く者たちがいた―

突如、皇帝として新たな人生を歩むことになった劉平。それは皇后、伏寿と共に夫婦としての人生を歩むことでもあった。
生涯を共にすると誓った夫を亡くしても、悲しむ間もなく、漢王朝再興の使命のために奔走する伏寿。
秘密を悟られぬよう毅然とした態度を取り、劉平を本当の皇帝に育てようとするが、その胸には複雑な感情が渦巻いていた。
そんな張りつめた伏寿の心を、劉平のまっすぐな優しさが癒していく。
見せかけの夫婦だった2人は、次第に心を通わせていき…。

司馬懿は一途に唐瑛のことを想い、その気持ちを素直にぶつけるが、複雑な過去を持つ唐瑛はそれを受け入れることはできない。
しかし、司馬懿の情熱が唐瑛の凍りついた心を溶かし2人は結ばれようとするが…。

そして、郭嘉がどこからともなく連れてきた女・任紅昌。病身の郭嘉に甲斐甲斐しく寄り添う謎の美女。
その正体を察しながらも女を守り続ける軍師。2人の恋の行方は?

それぞれが思い描く理想の世を目指して、強い絆で結ばれた相手と共に激動の時代を生き抜いてゆく―