INTRODUCTION

12人の監督が10分間の時間を与えられたとき、どんな物語を紡ぐのか。

『DIVOC-12』は、ソニー・ピクチャーズによる新型コロナウイルス感染症の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優が継続的に創作活動に取り組めることを目的として製作されたオムニバス映画であると同時に、作り手各々の挑戦の記録でもある。

「成長への気づき」をテーマに掲げた藤井道人監督チームは、“国境”を意識した映像派の4篇が揃った。志自岐希生監督の『流民』は、多国籍な人々の人生が時空を超えて集う不思議なホテルが舞台。林田浩川監督の『タイクーン』は、中国人の青年が船上である男と出会いを果たす。廣賢一郎監督の『ココ』は、コロナ禍で“ここ”に留まるしかない男女の葛藤が描かれる。藤井監督は『名もなき一篇・アンナ』で、他言語間の心の交流を紡いだ。

「感触」を選んだ上田慎一郎監督チームは、それぞれが肌触りの異なるジャンル映画に挑戦。ふくだみゆき監督はミュージカル『魔女のニーナ』、中元雄監督はゾンビ映画『死霊軍団 怒りのDIY』、エバンズ未夜子監督はファンタジー『あこがれマガジン』。上田監督は、西部劇からSFまで多ジャンルを横断した物語『ユメミの半生』を構築した。

「共有」を探求する三島有紀子監督チームは、不安定な時代にもがく人々を描写。山嵜晋平監督『YEN』は、他者の“価値”を決める遊びに興じる少女たちのドラマ。齋藤栄美監督『海にそらごと』は、孤独な女性と少年の運命が交錯する。加藤拓人監督『睡眠倶楽部のすすめ』は、ある施設で療養を続ける女性に訪れた“変化”の物語。三島監督『よろこびのうた Ode to Joy』は、ある仕事に誘われた女性と誘った男の葛藤を映し出す。

横浜流星、松本穂香、小関裕太、富司純子、藤原季節、石橋静河、小野翔平、窪塚洋介、安藤ニコ、おーちゃん、清野菜名、高橋文哉、蒔田彩珠、中村守里、中村ゆり、髙田万作、笠松将、小川紗良、横田真悠、前田敦子といった豪華で多彩な出演陣が、それぞれの物語で躍動する。

これからの映画界を担う、12の才能の煌めき。
彼らの軌跡は、この苦難の時期を越えた先に待つ、未来へとつながっている。

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