17歳のカルテのホームへ
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イントロダクション
「どうしてあんなところに入ったのか、と人は尋ねる。彼らが本当に知りたいのは、自分たちもそこに入るなんてことがあるだろうか、ということ。本音の方の質問に、私は答えられない。言えるのはこれだけ……入るのは簡単よ」
――スザンナ・ケイセン(原作者)


夢と現実が混乱したことはある? お金があるのに万引きしたり、落ち込んだり……。私が異常だったのか、時代のせいなのか。ありがちなただの“つまずき”だったのか。ただ、とても寂しかった……。時は1967年。17歳のスザンナ・ケイセンは、ごく普通のアメリカのティーンエイジャーだった。混乱し、不安に苛まれ、自分の周囲でめまぐるしく変わる世界に意味を見出そうと必死になっていた。彼女はアスピリンを大量に飲んで自殺を図り、軽い気持ちで精神科に入院する。そこで診断された病名は“ボーダーライン・ディスオーダー(境界性人格障害)※”。切れてしまいそうな神経を抱え、とまどい、揺れ動くスザンナ。けれど、この病院で出会った風変わりな女性たちは、彼女の親友になるだけでなく、見失っていた自分自身を取り戻す道を明るく照らし出してくれた――。
※【ボーダーライン・ディスオーダー】
自己のイメージや長期的な目標、どんな友人や恋人を持つべきか、どんな価値観をとるべきかに自信が持てない症状をいう。

原作はスザンナ・ケイセンの回想録。自身、精神病院で2年間を過ごした彼女は、人に明かしたことのなかった人生の一時期の光景をスケッチ風に綴り、退院から25年後の1993年に出版した。この鮮烈な真実の物語は即座にベストセラーになり、ニューヨーク・タイムズで11週間もランクイン。少女たちの気分を雄弁に語りつつ、思いがけないユーモアに彩られたストーリーが若い女性たちに熱狂的に支持されただけでなく、「カッコーの巣の上で」などに匹敵する狂気を描いた自伝的著作として批評家からも絶賛された。原作は少女の悩みと希望、とまどいと迷いを描くと同時に、拘束と自由、友情と裏切り、そして世の中全体が狂いつつあるかに見えた時代における“狂気と正気の境界”について問いかけている。そして、大人への階段を上りかけた少女たちが自分を表現しようとしてあがき、感情的、肉体的に揺れる姿を冷静な洞察力を持って描き出す。そこには悲しみとユーモアが混在し、人間を見つめる愛おしい視線が感じられる。

原作にすっかり惚れ込んだウィノナ・ライダーは、主演だけでなく製作総指揮も買って出た。自らも20歳のときに「発作的不安に襲われて」入院した経験を持つ彼女は、そうした混乱や自暴自棄は誰にでも起こり得るし、人を狂気に追いやりかねないということを身をもって知っていた。過去に2度もオスカー候補になった迫真演技に加えて、主人公に対する理解とシンパシーをもってスザンナの心の動きをビビッドに表現。それは見る者の心に染み入り、胸を打たずにはおかない。

スザンナが病院で出会って強く惹かれる危険な魅力を持つリサにはアンジェリーナ・ジョリー。『ボーン・コレクター』『狂っちゃいないぜ!』でブレイクした彼女は、オスカー俳優ジョン・ボイトの娘。この作品で本年度アカデミー賞最優秀助演女優賞、ゴールデングローブ最優秀助演女優賞を受賞し、新しいミレニアムの幕開けを飾る注目の女優となった。

■ほかに、クレア・デュバル、ブリタニー・マーフィ、エリザベス・モス、ジャレッド・レトといったハリウッドの新進若手俳優たちが結集しているのも見逃せない。また、厳格だけれど心優しい看護婦ヴァレリーにウーピー・ゴールドバーグ、知的な主任精神科医ウィック博士にバネッサ・レッドグレーブと、屈指の演技派が脇を固めて印象的な存在感を見せている。

監督は『コップランド』『君に逢いたくて』のジェームズ・マンゴールド。彼はこの作品のコンセプトを『オズの魔法使』と結びつけた。つまり、スザンナは“家(人生)に帰る道を探そうとしている女の子”。何が彼女たちを不安に陥れたのかという安易な謎解きにたよることなく、誰もが心に傷を負っている、だからみんなで“黄色いレンガ道”を歩いて行く、という発想のもと、狂気の本質を真摯に見つめている。この映画を見れば、人は誰だってどこか不完全なんだと気付き、生きる勇気がわいてくるに違いない。

製作は『ワーキング・ガール』『ウルフ』のダグラス・ウィックと『コップランド』『スクリーム』のキャシー・コンラッド。ウィノナ・ライダーとともに製作総指揮に当たったのはキャロル・ボディ。原作者スザンナ・ケイセンはプロデューサー補も務めている。また、撮影監督は『許されざる者』でアカデミー賞候補になったジャック・グリーン。『デッドマン・ウォーキング』で知られるプロダクション・デザインのリチャード・フーバー、『ラリー・フリント』を手がけた衣裳デザインのアリアンヌ・フィリップスら一流スタッフが結集した。


【原題 GIRL,INTERRUPTED(中断された少女)/ビスタ/全7巻/3,494m/上映時間2時間7分/SR・SRD・SDDS/字幕翻訳:太田直子/サントラ盤:ロック・レコード/原作:草思社「思春期病棟の少女たち」】


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