ほのぼの制作日記

2015年10月23日

吹替収録にまつわるお仕事シリーズ①「演出家」

伊達康将

こんにちは!TJです。
今回は「吹替収録にまつわるお仕事シリーズ」と題して、演出家の伊達さんをご紹介したいと思います。
演出家は吹替収録に必要不可欠なお仕事です。
映画会社は演技のプロではないので、収録現場での演技チェックは必ず演出家さんにお願いします。その他、翻訳された台本のセリフチェックなどもしてもらいます。
洋画の場合、1作品に約20人前後の声優さんが出演します。そのうち主演声優の配役は映画会社と演出家さんで決めることが多いですが、その他の配役は演出家さんにお任せしてしまうことが多いです。(ソニー・ピクチャーズの場合)
そんな演出家というお仕事をされている大ベテランの伊達さんにインタビューさせていただきました。 伊達康将

伊達康将(だて やすまさ)
演出家。1973年に東北新社に入社以来、40年以上にわたり洋画の吹替に携わる大ベテラン。
好きな映画はフェデリコ・フェリーニ監督の『道』。

演出家って何をやるんですか?ってよく聞かれます。
簡単に言えばディレクターですね。プロデューサーの意向に沿って、キャスティングから脚本の確認、演技指導までトータルをコーディネイトする仕事です。
 
もともと映画監督になりたかったんですが、当時はなかなか採用枠がなくて。
そんなときに東北新社の演出家の求人を見つけて応募したのがきっかけです。
洋画吹替かCMかどちらをやりたいか聞かれて、僕は洋画が好きだったので洋画を選びました。
それからずっと洋画吹替一筋ですね。

洋画吹替の演出家に向いているのは、洋画が好きで、好奇心旺盛な人。
色んな内容の作品があるので、幅広い知識があった方がいいですね。
本を読んだり芝居を見たり、常にアンテナを張っていることも大事です。
演出家をやっている人のなかには、もともと役者の人なんかもいますよ。

今までで特に準備に時間かけた作品は、TBSのノーカット版『夜の大捜査線』ですね。
細かいセリフまで確認して修正を入れたので、最初の台本とずいぶん変わってしまって。プロデューサーに怒られた覚えがあります(笑)。
でもセリフのニュアンスで作品の印象がガラっと変わることもあるので、納得いくまでこだわりました。

昔の翻訳者さんはみんな意訳が上手でしたね。日本語として自然であることを重視していました。翻訳者の木原たけしさんが、どうしても尺が足りないからって役者が口を閉じているシーンにまでセリフを盛り込んだことがあって、ビックリしましたね。正しく訳すことよりも、情緒を大事にしていたように思います。

声優さんとも長い付き合いです。
大塚芳忠さんとは彼が新人の頃からの付き合いで、よく一緒に飲みに行きますよ(笑)
先輩の羽佐間道夫さんにもずいぶん可愛がってもらいましたね。
納谷悟朗さんは最初は全然相手にしてくれなくて。
それでもめげずにくっついて回ってたら、
あるとき「2人で飲みに行こう」と誘われたことがあって、感動しましたね。

そういう才能ある方たちと一緒に仕事ができるのも、この仕事の魅力の1つだと思います。

声優さんだけでなく、翻訳者さんや演出家さんも洋画の吹替を制作するにあたって
非常に重要なお仕事になります。たくさんの演出家さんがいらっしゃいますので
いろんな方にインタビューとれたらなと思います。

では次回もお楽しみに!!