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2015年7月24日

まさに同世代の映画
『スタンド・バイ・ミー』

細野晴臣【音楽家】

あまりにも皆がいいと言うのでこれまで見そびれていましたが(ひねくれているのか、結構有名な作品を見ていないんです)先日、初めて『スタンド・バイ・ミー』を見ました。

まさに同世代の映画!冒頭、少年たちが『西部のパラディン』(1957〜63年)というテレビ西部劇の主題歌を歌いながら歩くんですが、実は僕もその番組を当時見ていて、「あ、同じだ!」と思うところから映画は始まりました。ほか、タイトルにもなったベン・E・キングの『スタンド・バイ・ミー』はもちろん、ザ・コーデッツの『ロリホップ』、バディ・ホリーの『エブリデイ』などなど全曲、少年たちと同じ11〜12歳の頃、僕が聞いていた音楽だったんです。アメリカと日本——国は違うのに同じ音楽体験をしていることに改めて驚きました。

そのベン・E・キングが4月30日、76歳で逝去。亡くなる直前まで活動していた彼は15回も来日、2011年の震災後には『スタンド・バイ・ミー』を日本語で録音し直しているんですが、そもそも彼は58〜60年、ドリフターズのリードシンガーだったんです。その頃から僕は彼の声をラジオで聴いて知っていました。ドリフターズ脱退後、発表し大ヒットとなった『スタンド・バイ・ミー』も最初はドリフターズ用に書かれた曲だったのでしょう。ドリフターズと同じサウンドで、僕は大好きでした(ちなみにこの曲は『ハウンド・ドッグ』『監獄ロック』など50年代のプレスリーの曲を書いた作曲ユニット、リーバー=ストーラーが手掛けたもの)。本作も、今なお歌い継がれる『スタンド・バイ・ミー』の音楽あってこその映画だったと思います。

監督は『ミザリー』『めぐり逢えたら』などのロブ・ライナー(僕は彼のお父さん、カール・ライナーが好きでした)。出演者も若くてハンサムなジョン・キューザックが駆け出しの俳優として出ていてびっくり。リバー・フェニックスもそうですが、やはり監督のピックアップ、キャスティングがいいですね。後に亡くなったフェニックスがエンディングでフェードアウトするシーンも、監督の思い入れを感じました。

公開から約30年。ベン・E・キング没後、ようやく見ることができた『スタンド・バイ・ミー』。いい機会となりました。

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